
株式会社 東急エージェンシー
2022年度 美術学部 デザイン専攻卒
髙橋 芳颯さん
TAKAHASHI Yoshihaya
株式会社 東急エージェンシー コピーライター
インタビュー
Q 愛知芸大を選んだ理由を教えてください。
ハッキリとした目標が無かったからです。なので、入試の段階で専門領域を定める美大も多いなか、間口の広い大学を中心に受けていました。実際に入学直後は建築やプロダクト、その後グラフィックに興味がうつり、今は色々あってコピーライターです。回り道をしたからこそ今の仕事に納得感があるし、楽しく働けています。あと、家が近所でした。大学の近くにあるジブリパークの大倉庫って、僕が中学生の頃はただの大きなプールだったんです。部活終わりに友だちと自転車で通っていました。
Q 学生時代はどのように過ごし、どんな作品を作っていましたか?
コロナ禍ド真ん中だったこともあり、多くの時間を学内で過ごしました。上記のような変遷を辿っているので、作品のジャンルはさまざま。直径1メートルのジャガイモ、一欠片足りないチョコレート、暗闇で目が合うレジ袋、喋らないで売るためのホットドッグ屋など、思い返しても変なラインナップです。ただ、形態は無軌道ながら「世の中に新しい価値を提案する」ことはテーマとして守っていました。(できる限りですが…)

Q 授業や課題以外で取り組んでいた活動はありますか?
課題以外も基本的には制作をしていました。例えば、友だちとのグループ展だったり、公募コンペだったり、就活の課題だったり。いつも授業+いくつかの制作をしていました。まるで優等生ですが、決勝まで進んだコンテストでボコボコにされて手ぶらで帰ったり、逆に自分の考えたアイデアで先輩がインターンで1位を取っちゃったり。微妙に結果まで繋がらないのがお約束でした。
Q 会社を選んだ理由を教えてください。
1つ目は東京に出ること、2つ目は目指したくなったコピーライターへの転身。この2つを叶えるべく広告会社を軸に受け、拾ってくれたのが東急エージェンシーでした。東京に出たかったのは、とにかく情報量の多い場所に身を置きたかったから。他社の内定を断ってこの会社に決めたのは、良い人が多い会社だと感じたからです。この感覚が当たっていたので、今も人に恵まれた環境で働いています。
Q これまでの主な業務内容を教えてください。
広告会社のコピーライターとして、言葉を軸としたコミュニケーションをつくる仕事をしています。例えば、テレビのCMを企画したり、ラジオ広告や、ときにはブランドのあり方まで提案したり。とにかくクライアントの課題を言葉の力で解決することが僕の仕事です。実は名古屋の案件も結構あって、先輩のもと、ナナちゃん人形を使った広告のお手伝いもしました。がん検診施設のオープンに合わせて来てもらうために、ナナちゃんにも検診デビューしてもらう企画。このようなユニークな案件ばかりではありませんが、脳みそフル回転で臨める仕事が広告会社にはたくさんあります。

Q 学生時代に学んだことが今に活きていることは何ですか?
もっと面白くできないか、もっとハッとさせられないか。常に工夫できるところを探す意識は、学生時代に培ったものです。今では学校の課題は仕事になり、授業料を払う代わりにお給料をもらう生活になりました。それでも作ること、考えることの繰り返しという意味では同じです。大雑把に聞こえるかもしれませんが、大学生活で得たもの全てが、地続きで今をつくっていると思います。
Q 愛知芸大への進学を考えている人にメッセージをお願いします。
愛知芸大の4年間は、とにかく自由です。だからこそ責任が伴います。面白い大人になるためには、面白く過ごさなければいけません。頑張れる大人になりたければ、頑張らなければいけません。愛知芸大はきっと、すべて叶えられる場所だと思います。理想がすでにある人も、これから探す人も受け止める包容力があります。Googleマップで見たらほぼ森だけど、運がよければキツネに会えます。簡単には入れないかもしれないけど、そのぶん魅力的な仲間に出会えます。いい大学です。ぜひ目指してみてください。